October 2005
October 30, 2005
Sade 艶あり
"Diamond Life" 1984
Sadeのデビュー"Diamond Life"はちょうどSheila・Eのデビューと重なります。しかも相手は"in The Glamorous Life"。
ん〜Glamorousかぁ・・・、
こっちはDiamondなんだけどなぁ・・・。
結局のところセンセーションはアクション系の(?)Sheilaに偏りました。Escovedo親父パワーもあったかも・・・。
しかしセンスで歌うSadeはその後も時代に呼応したアルバムを堅実にリリースし、それらが静かなヒットを続けることになり今に続いています。
彼女の音楽を喩えるなら、つきなみな表現で申し訳ないですが昨今の「癒し系」だったと思います。でも芯は強いんです。
両者は双方美人でしばしば比較に上がり、話題を呼びましたが、わたくし的には、雰囲気のあるSadeが優勢。
音楽に対する視点や感受性も磨かれていて、描き出す空間が美しいと思う。
音創りの点でSadeはメンバーに恵まれますが、やはり彼女の声が全てをインスパイアしたと思っています。
彼女は、ミュージシャンとしての評価は決して高くないですが、後年"Lover’s Rock"にみられるような、彼女独自のグルーヴを完成してゆく様子が、一連のアルバムを通して感じることができます。
私はこのジャケットがとても好きです。
彼女の独特の声は音楽界で「発掘された宝」のような面があります。そのような彼女の存在に、「褐色の像」をメタファーとしたジャケットが無言の賛美を与えているかのように思え、サウンド、アートワーク双方に優れたアルバムとして、作品ヴァルールが一段と高められていると感じるのです。
それにしてもまつ毛がきれいですね。
私のお薦めは
"Smooth Operator"
"The Sweetest Taboo"
"Love Is Stronger Than Pride"
"Kiss of Life"
"Lovers Rock"
何れも重たい短調はありません。
私はm調がどちらかというと苦手です。
確かにSadeはm調を扱うことが多いです。前述した"Smooth Operator"や"The Sweetest Taboo"も、音理上はm調です。しかしながら彼女の場合、嫌なmコード展開は扱いませんし、m9thのテンションから平行調M7に感じられるような和声を選んでいるところにも光るものが感じられます。このようなバックグラウンドによってマイナースケールが重たくならず、綺麗に響いているのだと感じるのです。
何れの曲にも深い透明感があります。但し単にブルーでないところがSadeの美しさですよね。
"Lover's Rock"
I am in the wilderness
You are in the music
In the man's car next to me
Somewhere in my sadness
I know I won't fall apart completely
When I need to be rescued
And I need a place to swim
I have a rock to cling to in the storm
When no one can hear me calling
I have you I can sing to
And in all this
And in all my life
You are the lovers rock
The rock that I cling to
You're the one
The one I swim to in a storm
Like a lovers rock
私はこの曲が一番好きです
人の心の深層部に関するテーマで、歌のシーンの中に車を運転している男性の姿は出て来ますが、それは彼女の対象ではありません
この曲は単なる恋愛の歌などではないのです
Sade自身が何かを作り出し表現する人だからでしょうか、孤高な創作活動の中での心のよりどころを荒波の中の岩に喩えた作品で、静かながら根底に揺るぎの無さを秘めたすばらしい曲です
私はまず音作りで曲を選びます
その後に歌詞や内容について入っていくことがあり、Human Leagueの"Human"のように音やグルーヴは良いけれども歌詞や台詞に興ざめすることもままあります
しかしこの曲はまったく逆
Sadeの"Lover's Rock"は、音作り、グルーヴ、歌詞テーマそれぞれに深く感動した名曲です
"Sade - Lover's Rock"
"kiss of life - sade(with lyrics)"
"Sade - Love Is Stronger Than Pride"
Diamond Life
Promise
Stronger Than Pride
米国盤
Love Deluxe
英国盤
Love Deluxe
Lovers Rock
The Best of Sade
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Dazz Band
"Keep It Live" 1982
来日まではファンでした。良いバンドだと思ってました。大阪公演、最前列で見ましたが、それが聴衆をなめたバンドでしてね。
ダンサブル・ジャズからその名をつくったという発想をみても、スタンスの良いバンドのはずだったのですが、初心は忘れてほしくなかったです。
"Let It Whip","Gamble With My Love"が良かったんですけど"joy stick"なんかに表れていたような、退廃即物的なバンドになってしまったように思いました。気持ちが中産階級化したかな。
残念なバンドだったな。
"Dazz Band - Let It Whip"
"The Dazz Band-Gamble With My Love"
Producer: Reggie Andrews
Side 1
Let It Whip
Gamble With My Love
I'll Keep On Lovin' You
Just Can't Wait 'Till The Night
Shake What You Got
Side 2
Keep It Live
Just Believe In Love
Can We Dance
Let Me Love You Until
Dazz Band - Greatest Hits
Time Traveler
Double Exposure
Here We Go Again
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October 27, 2005
Eumir Deodato
往年のJazz-Rockでも昨今のFusionでもありません。Crossoverの大御所Deodatoの登場です。今のFusionがCrossoverと呼ばれていた頃の作品ではありますが、多分、ほとんどの皆さんが同氏と知らずに曲を聴いていると思います。
ただこの頃のCrossoverは、今の感覚で区分するならイージーリスニング(御容赦)に属してしまうかも知れませんが、Deodatoはちょっと違って、おいちゃんたちは気持ち正座して聴いたね。
このアルバムに取り上げられた曲を見てください。びっくりもんでしょ。さらっと見てもサテンの夜、亡き女王の為のバヴァーヌ、ラプソディーインブルーですよ。このラインナップだけでもめっさ凄い。これだけでも価値ありのアルバムでしょ。
※ちなみに「めっさ」とは、コンテンポラリーな大阪弁で「たいそう」「こよなく」「非常に」「驚くほど」「ひたすら」等、副詞+形容動詞ハイブリッド表現の最上級にあたります。
ちなみに比較級はご存知の「めっちゃ」です。
そう言っておきながら、実は私のお薦めは
"Skyscrapers","Super Strut","Rhapsody In Blue"。
特に"Skyscrapers"がお薦め。
70年頃はみんながNYに憧れていて、ロックフェラーセンターやエンパイヤステートビルに夢を馳せていました。わたくしもその一人でした。
ただ私はその頃からデコなデザインがイカしているクライスラービルが大好きだったんです。ニューヨークが舞台の映画には必ず出てくるあのビルです。
エンパイヤより優れた意匠でしょ。
"Skyscrapers"はマンハッタンの緊張感を見事に表現していて、曲からメガロポリスのエナジーがほとばしるような感覚があります。でも、そんなパワーに満ち溢れた曲が、はっとするブレイクを迎える瞬間にこそ、クライスラービルがお似合いだった。そんな訳でこの曲が一番のお気に入りだったんです。
摩天楼の足元を車で行く躍動感も、街路から細長い空を見上げるメランコリーも、ビルをかすめて飛ぶダイナミズムも全て備えた名曲だと思います。とにかくブラスの効いたスリリングな曲です。
歴史に残る曲の一つだと思います。是非聴いて欲しいです。
ギターがJohn Tropeaなんです。はっきり言って、好き嫌いがあると思います。私もどちらかと言うと彼は苦手ギタリストなんですが、この曲は特別扱いですね。
面子はビリー・コブハム、スタンリー・クラーク等つわものが揃っています。それだけに「本メロ全て裏入り」という強行策が見事な編曲に昇華されて行ったわけです。こんなドライブ感は未だ他に無いと思います。
圧巻とは、これを言うのでしょうね。
"Nights In White Satin"
"Pavane For A Dead Princess"
"Skyscrapers"
"Super Strut"
"Rhapsody In Blue"
CD復刻版にはボーナストラックが入っている事が多いようです。それはさておき、残念なのは曲順も変わっている場合があることです。
復刻盤は作者に敬意を表し、オリジナルアルバムと同順で再現して欲しいと思います。
CDになってから、レコードを裏返す行為が無くなったり、任意の曲順で曲を聴く事が出来るようになったりしているので、音楽を生み出す側の創作スタンスも異なってきたように思っています。作者の意図が途切れるような、何と言うか、アルバムの作品性のようなものが無くなって来たように感じられ、少し残念です。
出来れば優れたアルバムほどオリジナル曲順で聴きたいと思います。
ガーシュインも嬉しい
ラプソディー・イン・ブルー
リハルトシュトラウスを手がけたことで話題騒然となった
これにはシングル盤テイクのツァラトゥストラも収録されています
ツァラトゥストラはかく語りき
これは復刻でボーナストラック付き
Deodato 2
Love Island
Prelude
ジャケットがシュール
ファースト・クックー
昨年Ground Zeroにて「この地に生きるものは世界中何処ででも生きて行くことが出来る」とのメッセージを見ました。自分達で創った国に対する誇りと自負を感じ、敬意を覚えました。
人には本来、自己治癒力が備わっていて、痛みを知った人ほど、互いにその力を発揮し合うことを学ぶのだと知りました。
マンハッタンを思いながらこれを書いていて、それぞれ人に備わったものを偽り無く使うことが一つの供養であるように今感じています。
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October 19, 2005
Stanley Clarke
この頃のStanley Clarkeのベストだと思われる曲"Straight To The Top"収録。
ギターはCarlos Santana。
Michael Sembelloがフュージョン系王道とも言うべきシャキッとしたギターを聴かせる中、"Straight To The Top"でのSantanaのソロは、「サンタナ節」満開。私は嫌いではありませんけどね。
それにしても音創りがうまいアルバムだと思う。分厚い音が怒涛のように流れて来て、とんでもなくスピード感がある。
"Stanley Clarke - Straight To The Top"
ちなみに"Straight To The Top"のコーラスをへたくそがやると村の青年団になることを謹んで報告させて頂きます。はずかしながら私達もこの曲を取り上げたんです。
自分で言うのも寂しいですがほんとどぉーしよぉーも無かった。
アルバム参加メンバーは、このブログで紹介している方々ばかり。強力サポートの元、Stanley Clarkeの高和音アレンビックが冴え渡る。
とってもイカしたアルバムです。
Straight To The Top
Let Me Know You
You Are The One For Me
I Just Want To Be Your Brother
The Force Of Love
Play The Bass
Secret To My Heart
New York City
"Rocks, Pebbles, And Sand" 1980
続いてのお薦めはこれ。
前述"LET ME KNOW YOU"より遡ること2年の作品。
最後の曲、というかアルバム構成が面白い。でもその曲"A Fool Again..."は結構好い曲なんですよ。
このアルバムの音創り志向性は、まっすぐに"LET ME KNOW YOU"に向かっていたように思える。
"Stanley Clarke - Fool Again"
Danger Street
All Hell Broke Loose
Rocks, Pebbles, And Sand
Underestimation
You/Me Together
We Supply
The Story Of A Man And A Woman
Part 1:She Thought I Was Stanley Clarke
Part 2: A Fool Again...
この方も実力派なんですよね
上記の推薦アルバムはブラコン系ですが
敢えてCrossover / Fusionとジャンル分けしたのは
このあたりが理由です
リターン・トゥ・フォーエヴァー
ライト・アズ・ア・フェザー
クラーク・デューク・プロジェクト
スクール・デイズ
The Bassic Collection
Rocks, Pebbles and Sand
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October 17, 2005
アグネス・ラム
この方、CDも出しておられますが、
今回は彼女自身としてのご登場です。
この人のデビュー、鮮烈だった。
私は、アグネス・ラムが好きだ
とっても、好きだ
今でも、好きだ
網膜に焼きついた
エメロン・ミンキーのCF
誰が何と言おうと
永遠の天使だと思う
豊満だの
下がって来てるだの
勝手に言ってくれ
それらは所詮
的確な表現ではないのだから
彼女は相対的な宇宙観で
地球質量に敬意を表しているだけなんだ
それが更なる憧憬を育んでゆく
私にはそれ以上でも以下でもない
そんな存在なんだ
私は、アグネス・ラムが好きだ
とっても、好きだ
たまらなく、好きだ
純粋に、美しいと思うのだ
ばかだよね
でも
かわいいよな
好きな音楽
ジョージ・ベンソン系だそうで
お子さん達
大きくなったんだろなぁ
1975年、ハワイからやって来た当時19歳のアグネス・ラムは鮮烈な日本デビューを果たします。
ベトナム戦争の終結から南北ベトナムの統一、ロッキード事件による田中角栄逮捕、政権をめぐる国会内抗争、函館空港へのミグ25強行着陸とソ連ベレンコ中尉のアメリカ亡命、等々・・・。
迷走する75年から76年、そんな最中でのデビューでした。
世界は大きく揺れていました。ロッキード証人喚問でも書類にサインする手が激しく揺れた。でもそれを尻目に・・・
あの頃の少年達は、政治や経済にまったく無縁な、彼らの純粋な感性というアンテナに、未曾有の揺れを確かに感じ取っていたのです。
それが彼女でした。
衝撃のCFとは、エメロン・ミンキーという「シャンプー&トリートメント」のコマーシャルでした。
それまでに見たことの無い笑顔で彼女が現れ、頬のあたりで手を(うさぎの影絵のような形で)ワンクリックし「ほっ」と、一言いうのです。トリートメントで髪が傷まないのでほっとする・・・といった感じでしょうか。
僕らはほっとするどころか、相当ざわめく事になるんですけどね。
当然あの声はアフレコで本人ではありませんが、あの笑顔に釘付けになった少年の何と多いことか。形容する言葉が正直無かったです。
強いて言うなら、Blow my mind !、吹っ飛ばされたでしょうか。
・・・そんなの・・足りないよ。
日本人ギタリストのT氏は、当時既に著名バンドを経てソロアルバムをリリースするミュージシャンでしたが、あまりの彼女の美しさに降伏し(ジェフ・ベックじゃないが"Sweet Surrender"だったんだと思う)、彼女を想う曲を書き、自演し、ハワイにまで行ってそれを彼女にプレゼントしたそうです。
今の時代と異なり、まだハワイが遠かった頃です。普通なら航空運賃を捻出し、彼女に面談できる人を、快く思えないところですが、多分、当時の少年たちも私と同じように、T氏の気持ちを自分のものと捉え、ある観点から言えば支援したと思うのです。
彼女とは、そんな存在だったのです。
人、世代毎に、それぞれの分野において「これを越えるものは無い!」という至高の存在がありますでしょ。
例えばポップカルチャーで言うならば、私にとってはビートルズであり、ジョンがそれにあたるわけです。
ソウルミュージックでは勿論、Marvin Gaye。
クラシック?で言うとラヴェル。
芸術家で言えばピカソでもマチスでもなく、芸術に社会構造を取り込んでみせたクリスト。
それが女性像・・・となると、アグネス・ラムということになるんです。
そんな点からすると彼女は、
ビートルズやクリストに匹敵する存在なのかも知れません。
これは大仰な表現ですけどね・・・。
彼女の存在とは・・・一言では語りきれないものがあります。
でも一つだけはっきり言えるのは、
彼女はハワイの陽射が生んだ褐色の肌より鮮やかに、当時の少年達にヴィヴィッドに焼き付いて、今でもイコンとなって残っていることだと思うのです。
Agnes Lum
ベスト
with Love アグネス・ラム
I am Agnes Lum
※文中「少年」は、本来「青少年」と呼ぶべき世代を指しています。
しかしながら当時のあまりに純朴な憧憬を表すのに「青少年」では説明的過ぎましたので、あえて「少年」と記すことにしました。
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October 14, 2005
Robert Byrne Nashville
傷んだハート専用メンテナンスアルバムの御紹介です。
Robert Byrne"Blame It On The Night"は私の中で、Ned Dohenyの"Hard candy"に並ぶ名盤です。
でもこちらはしんどいとき用。心の穴空き補修材として、威力を発揮します。ぼちぼちTV通販でも売って欲しいな。実演付きで。
このアルバム、律儀にもLPと同じジャケットでCD入手できるところが嬉しいです。このジャケット気に入ってたので・・・。
(ちなみに後年再販のLPはアルバム内容に似合わないジャケットデザインで登場した記憶があります。なんというか・・・安物ファンクな感じでホットパンツをアップにしたデザインに変ってしまっていたと記憶しています。)
例によって私のLPは蚊取り線香化してきているのでCDも買いました。
何となく安心した。
これはRobert Byrneのアルバムデビューとなった作品で、本来この方はアラバマのMuscle Shoals studio(Feb/2005閉鎖)のミュージシャン&ソングライター。
都会をイメージするサウンドなんですが、やはり微妙に土埃が感じられるところがありますね。ギターフレーズやAメロ帰結にもパターンが感じられます。
レコーディングはナッシュビルだそうで・・・何となく納得。
私のお薦めは、
タイトルチューンの"Blame It On The Night"と"That Didn't Hurt Too Bad"。後者はクールナイトな感じ。
特に好きなのはA面ラストの"I Did It All For Love"。これは前述のようにギター、Aメロ共に癖ありの曲なのですが、とても展開の綺麗な曲で、Bメロ部分が最高に好いです。フランジャー+オーヴァードライブという一時流行ったギター色がフィーチャーされていますが、このリフは音楽になってる。一番土の匂いの少ない曲です。
このアルバム全体にメランコリックなイメージがありますが"Tell Me It's Over One More Time"は、中でも特にブルーが入った感じ。
流石に最後の"She Put The Sad In All His Songs"では、ナッシュヴィルな感覚が出ていますね。
僅かにカントリーな匂いが残りますが、飽きない好アルバムです。
"Robert Byrne - Blame It On The Night (1979)"
"I Did It All For Love - Robert Byrne"
"That Didn't Hurt Too Bad - Robert Byrne"
音楽性は異なりますがBozもNedも、うまく都会派に来れた人達だと思います。何と言うか、Robert Byrneの場合はビッグヒットが無いですが、売れるには地元の押しも必要なのかも。
Bozは成功しているので推論に無理がありますが、映画ナッシュヴィルにもあったようにこの辺りは保守的なところのようで、枠を出るやつが続く事は嫌われたのかも知れないなと思う。でももっと、前に出て欲しかったな。
昔は田中角栄、今は鈴木宗男と辻本清美も、憤りは多々ありますが、”仲良く”地元の押しのおかげで中央へ、ですものねぇ。
辻本は国会で鈴木の疑惑を声高に指摘したが、自分も事務所経費を誤魔化していた事実が後に明らかになった
その際の上位者への他責言い訳の醜かったこと・・・呆れたね
必要な人こそ押しを受けて欲しいな。
2ndはこちら Byrne&Barnes "An eye for an eye" 1981
ワン・ナイト・ロマンス
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October 11, 2005
Melba Moore
M・Mといえば戦中派はマリリン・モンロー。
今の和製なら三船美佳でしょうか。
えっ、そっちの好みやろって、ひゃッ!。
でも、ご聡明なブラコンファンの皆さんならこの方、Melba Mooreでしょう。音楽から遠い話でごめんなんしょ。
この方もKashifプロデュースだったので買いました。Fonziも入ってますね。仲良いんですね。それだけにまとまってます。
ただですね、この方、大きな当りが無かったんです。このアルバムトップの"Love's Comin' At Ya"はディスコで流行りましたけど、正直、大当たりではなかった。声はかわいらしいし、良く出ていますから悪くないんです。曲に恵まれなかったのかも知れませんね。好アーティスト・・とは、婉曲表現になってしまうのかなぁ。
"Melba Moore - Love's Comin' At Ya ! 1982"
こちらは"Never Say Never" 1983。可能性を感じて続けて買いました。タイトルチューンが良いかな。
帽子のMelbaが綺麗。
"Melba Moore - Never Say Never"
"A Lot of Love" 1986。今度は可能性を信じて買いました。タイトルチューンはKashifの曲で彼はミュージシャン参加もしている。
お薦めはこの曲かな。
"MELBA MOORE/KASHIF A LOT OF LOVE"
何と言うのかなぁ、この頃の代表曲が無いことがやはり残念です。
いい声しているし、リズム感もあるし、ルックスもいけてるし。
んん〜、なんなんだろうなぁ・・・。
ミュージカル、女優なんかもやってきた人ですから、ひょっとすると力が分散したのかも。
昨年はゴスペルアルバムを出していますが、ジャケット見てびっくり。綺麗になってる。めっちゃタイプ。こらぁ凄いや。声も4オクターブ出てるらしいです。(曲聴いたれよ!)キャリアは70年代からの人なんですよ。えぇ〜っと、じゃ年齢はぁ?
The Other Side of the Rainbow
This Is It: Best of
Little Bit Moore: The Magic of Melba Moore
A Very Special Christmas Gift
最近のほうが若くかわいいいのはなぜ
ぱっと見はハル・ベリー系
Nobody But Jesus
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October 10, 2005
George Duke 事件!
”社員っ!”、”謝・恩っ!”
アルバムトップの"Shine On"
この曲、タモリの空耳アワーで使ってもらえると思うよ
今回は、この曲にまつわる話です・・・
80年代初頭、音楽多様性が今さらながら認識される中、ブラコン自身はその興隆期を迎えようとしていました。この頃はブラコンの美しい和声やリズムに魅了され、それまでのロックファンが怒涛のようにブラコン、フュージョンへと流れ込んできた時期でもありました。
それは変わり行く時代の要求だったと思います。しかし同時に、この頃は過渡期特有の中途半端さが目立つ時期でもあったのです。
流入文化に一部侵食されるというか・・・竜馬が袴に革靴履いてる・・・みたいな。実用ジャージにヴィトンのバッグ・・・も、かな。
喩えの差が埋まらんが。
とにかく「未知」との邂逅の中で、スタイリング、コンテンツ、スピリッツのミスマッチを感じることがとても多い時期でもありました。
今でもはっきりと記憶しているのですが、そんな頃に、四条川原町の輸入レコード店リバーサイドでこんな事があったのです。
ある昼下がり、私がアルバムを物色していると、3人連れの若い子たち(多分バンド)が入ってきたのです。彼らは店内をざぁっと見たもののレコードを検索する様子も無く、店の奥側で何やら小声で話し合いを始めたのです。
風体は明らかにロック系。
ストーンズ好きなんでしょ・・てなジーンズのはき方に重そうなベルト。
志は高くロッド・スチュアートを目指した「かまやつ」ヘアー。
昨日徹夜か?的な目の下の隈。
ちょっと見ただけで、なんともステロタイプな彼らは一瞬で網膜に焼きついてしまった。
そんな彼ら、ひそひそ話をしながら、ちらちらとレジの様子を窺っていたんです。
んっ様子が変。何かしようとしている。
しかもこっちが戸惑っている間に、彼らは密談を終わらせ、意を決したように向き直り、おもむろにレジの若い兄ちゃん(その日は気丈な姉ちゃんおらず)の方に近づいて行ったのです。
10坪程の店には兄ちゃんと私、それと彼ら3人。入ってきたときからこの人達、ちょっとこの店の感じではなかった。
挙動がおかしいことを察知していたのか、店の兄ちゃんはレジの中で一歩後ろへ。
兄ちゃん: 身構える。
彼ら: 近付く。
兄ちゃん: 一瞬こっちに目配せしてから、彼らを睨む。
私: 火事場の状況で拒む暇無く、登場人物”C”と化す。
彼ら: じりじり近付く。ためらう様子はまったく無い。
私: やばいと思いレジへ。
と、次の瞬間、我々を震撼する一言が。
「・・あのぉ・・ 社員っ!・・ってゆう曲・・探してるんですけど・・・・・」
「社員っ!!・・・てゆー曲なんです」
「っ・・・」
”C”の腰、砕ける。
互いの距離、既に1m。
それ、"Shine On"や!。Shine!ってシャウトで曲が始まるんや。
初めて聴いた時、誰でもびっくりするねん!。
おおっきい声・・・出すなよ・・。
ばつ悪かった。
いや、風体で人は判断できないけれども、スピンアウトな格好するには、それなりに自己表現する機転も必要やぞ。
TPOに合わせて、わたしは安全です〜って。
しかしながら彼ら、思った以上に一生懸命、目当ての曲を繰り返し歌い、意思を伝えようとしました。 「社員っ!」「社員っ!」。
が、哀しいかな、それ以上の表現は出ず、他の二人は叫ぶ一人に合わせ、こっくりこっくりするだけでした。
そのたびに鎖がちゃりちゃり。
・・・ロックバンド・・・だったね。
店の兄ちゃんが
「それ・・George Dukeの"Shine On"・・・ですよ・・」
と、溜息のように話を終わらせたのが忘れられません。
手のひらの汗は何であったか?
それはブラコンファン増殖を見守る汗であったのかも知れない。
がんばれ・・・にっぽん・・・
80年代の彷徨はいたるところに
本の紹介です
80年代!
懐かしの80年代にどっぷりつかる本
"Beat It"が入ってる
80年代ロック・ベスト―ギター・スコア
70・80年代ニュー・オールディーズ/ベスト・ヒッツ―70’s~80’s
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October 09, 2005
George Duke 音楽考
”社員っ!”
のっけはタモリの空耳アワーで絶対使ってもらえる一曲。”社員っ!”、”謝・恩っ!”
このシャウトで始まるA面一曲めは"Shine On"。このアルバムを代表するとともにGeorge Dukeの成功を確固たるものとした曲でもあります。冗談ぽいですが本当です。
当時、George Dukeの音楽を指して、万人が「アースのようなサウンド」(※)・・・と表現していました。輸入レコード店でもそのように紹介しているところが殆どでした。確かに、音の厚み、美しい和声と煌びやかなローズ、リズム&ホーンアレンジ、ファルセットによるヴォーカル・・・とくれば当時は何でもかんでもアースが引き合いでしたから。
(※アース=EW&F)
George Dukeとアースの音楽性についてなのですが、前述の市場の認識とは異なり、私は正直なところ彼らは各々立脚点が違うと思っています。私が当時一番違うと感じていた点は、移籍前に顕著なアースのゴスペル性に対し、George Dukeはコンテンポラリーな和声感覚によって次代性を追求しているという「立ち位置の違い」「姿勢の差」にあったんです。
George Dukeを旧大阪ブルーノートで間近で見ましたが、とてもキツイ目をした方で、所謂「音楽家」のイメージを感じたんです。「違い・・」のニュアンスがわかってもらえるかと思います。
これは優劣の話ではないのですが、アース様とGeorge Dukeの違いは、ある観点から見ると、縄文人と弥生人の相違に似ているように感じています。文化と文明の違い・・というか、価値規準の相違と言うか・・・。
弥生はその後の社会に「文明的」な面で直接つながってはいますが、火焔型土器に代表されるような、縄文にあった生々しい「ヒトの営み」は一つの文化として消え行き、幾分技巧的に、時代が弥生へと下って行ったことは否めないでしょ。アース様とGeorge Dukeにはそんな差異を感じるのです。
「文化」と「文明」の違いはその波及性の差にあります。四大文明に比較し「文化」と称されるものは確かに小さなものです。元禄文化などがその良い例でしょうね。でも文化から文明が育っていった事実を、忘れてはならないと思います。George Dukeには高い音楽性とセンスの良さを感じると同時に、アース様には単にプリミティブという言葉では済ますことのできない何かの存在を感じますね。
余談ですが今の世の中、伝播しなければ、利潤を生まなければ価値が無いかのような深みに欠ける経済志向、費用便益分析が、踏み入るべきでない創造分野にまで土足で上がりこみ、数値管理や利益計画では生み出すことの出来ない肝心の「可能性」までを壊し続けているように思えます。
その後、両者は「聴いて」のとおり、はっきりと違う音楽に向かいました。何れにせよ、この両者は80年代の音楽シーン展開の原動力となった人たちであることには違いがないと思います。
このアルバムでのお薦めは、
前述の謝・恩っ!いや失礼"Shine On"と
タイトルチューンの"Dream On"。
その後、何枚か同系統アルバムをリリースするも、スタンリー・クラークとのコラボ等を経て徐々にフュージョン色が強くなります。
やっぱり、アース様とは、ちょっと違いましたね。
"George Duke - Shine On"
80年代の彷徨 George Duke 事件!
クラーク・デューク・プロジェクト
Duke
Reach for It
ブラジリアン・ラヴ・アフェア
Live on Tour In Eulope
Dream On
Guardian of the Light
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Harold Melvin & the Blue Notes
このブログの一番最初のMarvin Gayeを読み直してから寝たら、夢を見た。Marvinのブログがあって、俺のが無いのは何でや!・・・怒りやがんの。
歌といっしょで、汗やらつばきやらが飛んで来た。
複雑なことがあったからかも知れませんが、Teddy Pendergrassの・・・というかBlue Notesの話題はやっぱり不可欠、謹んで書き込みます。フィラデルフィアを語る時Kenny Gamble & Leon Huffの存在は必須。彼らと一緒にEbonysあたりも話題になり易いですが、そんな中でもHarold Melvin & The Blue Notesは音楽的に芯の強いグループとしてPhilly Soul興隆の中心的存在であったと言って良いと思います。
初めて聴いた彼らの曲は"The Love I Lost - part 1"でした。
70年頃から始まったFM大阪のビート・オン・プラザという好チョイス番組があって、そこのDJをされていた川村ひさしさんが、どこかの番組でこの曲をかけたのです。ビート・オン・プラザを後輩に引き継がれてからもこの時代、川村さんは音楽ファンの良い先輩でした。影響も受けていたので、同氏の選ぶ曲には興味があり「今度は何か・・」とラジオに向き直ったのです。
当時既にソウルファンを自認していたこましゃくれの私は、ソウルミュージックの曲調には、ちとうるさかった。いや、うるさいつもりだったんです。そんな私は、ラジオからの曲紹介の間に、"The Love I Lost "というタイトル、part1・・てなものが付いているといった点から、何となく初めて聴く曲のイメージを推量しはじめたのです。
・・んっ、甘めか?。
それを裏付けるように流れてきた曲の出だし、ストリングスの入り方、裏テンポのハイハット・・・ちょっとバリハイな感じ・・・等々から、先ほどの想像は大当たり!、曲の展開までも見えたわいと思ったのです。
ところが間もなく、コーラスが始まった。それも少し荒削りな。
ゆっちゃ悪いが村の青年団みたいな。
こんなんでええのんか?。
でも・・音のとり方、結構良いやないの・・と、思った瞬間、Teddy Pendergrassが低目から入って来やがった。それでありったけの力で、ぶつけるが如く歌いだした。暫く目が点でした。真剣勝負してる。搾り出す声が熱い。なりふりよりも伝えたい・・みたいなハートが、高校生の私にもわかりました。身じろぎ出来なかったです。
今から思えば"The Love I Lost - part 1"はとことん重い内容の曲などではありません。でもその時、歌の根底に、なにか震えるものを感じたんです。
たかが音楽、されど音楽、結構凄いものがあるんだ・・・捨てたもんじゃないから。
"Harold Melvin & the Blue Notes ~The Love I Lost - part 1"
Teddy PendergrassはMarvin亡き後、その座を「いろんな事の後」に継いだように言われていて、伊達男というイメージも聞きます。でも私は曲から入って彼を見たので、この人はとても真摯な人にしか思えないのです。ミュージックビジネスの中では、浮名を流す事も売り物の一つ・・のような風潮があるけれど、この人の最初の印象が強烈であったせいか、そのような面があったとしても、それが矮小にしか見えないのです。Blue Notes時代には多くのミュージシャンがカヴァーする名曲が沢山あります。これもその姿勢を物語るものではないでしょうか。
Teddy Pendergrassには熱い力があります。事故という不運を越えカムバックを果たしたところにも、そのスピリッツを感じるのです。
"The Love I Lost"はカヴァーしにくいようですね。オリジナルが強烈だと成功しないんでしょう。すっかり彼らの曲だからだと思う。この曲のファンとして敢えて記しました。
私が持っているLPはこれ。ベスト盤です。
"The Love I Lost - part 1"の他に
"If You Don't Know Me By Now"
"I Miss You"
など、他の人のカヴァーでも聴いたことのある名曲ばかり。
どのベスト盤を買っても、たいていこのあたりの曲が網羅されています。
とっても茶色く、とっても熱い曲のオンパレード。
"Don't Leave Me This Way"収録
これも名曲ですね
実力派こそカバーしてる
The Essential Harold Melvin & the Blue Notes
Collectors' Item (All Their Greatest Hits!)
ベスト・オブ・ハロルド・メルヴィン&ザ・ブルー・ノーツ
Back 2 Back: Harold Melvin & the Blue Notes/Atlantic Starr
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October 08, 2005
Paulinho Da Costa
輝いてましたね。この時代。
美しかったですね、何れの曲も。
Paulinho Da Costaの2ndソロアルバム
"Happy People"には最高に鮮やかな曲が一杯。
パーカッショニストだからと思って、内容を決め付けてはダメですよ。クレジットを見なければ!。そうしなければ私もこのアルバムには出逢わなかったと思う。
パブロレーベルは当時価格が高かったんです。リバーサイドのお姉さんも「このレーベル高いねん・・」といいながらレジしてくれたのを記憶しています。でも買うほうの私は清水の舞台から飛び降りるような感覚でしたから。
当時の輸入盤はカットアウト盤(ボール紙ジャケ一部をパンチで切ってあるので安い(B))で1280円前後。フツーに流通している輸入盤でも1780円前後でした。そんな中でパブロは堂々の3400円代。国内盤が2500円くらいなのに、それで輸入盤といえるのか。企業努力は何処へ!と唸ったね。
まっ、そーゆー問題ではない(冗談)ですけど。
そろそろわたくしのお薦め。
まずトップは"Deja Vu"。アースのフィリップ・ベイリーが好い。ちなみにギターはアル・マッケイの参加で、この二人は中が良さそう。
爽やかアース・・・な感じ。とても明るい空を感じる。当然パーカッションがフィーチャーされていますが、あくまでフィーチャー気味という感じ。嫌味など全く無く、アレンジが心地よく、音楽が完成している。
最近のyoutubeではエクステンデッド・リミックスの掲載が多いですが、最初のアルバムリリースではこのヴァージョンが収録されていました
"Paulino Da Costa - Deja Vu"
次にお薦めは"Seeing Is Believing"。今度のヴォーカルはビル・チャンプリン。散歩するような曲調で、こちらの気持ちを穏やかにしてくれる名曲です。彼の声はいつ聴いても肯定的ですね。強いなぁ。
この曲で特筆すべきはアレンジの美しさ。音が踊ってるもの。バッキングフレーズは楽器の音色イメージから生まれたのかなぁ。心憎いほど色と形が合ってる。
"Paulinho Da Costa Seeing Is Believing "
他にはデボラ・トーマスの歌う"Carnival Of Colors"、カール・カーウェルの"Let's Get Together"がお薦め。
何と言えば良いか"Carnival Of Colors"は恋人達の祈りを感じるような秀作です。カーニバルってカラフルですが、見えるもの以外の色彩が確かにありますでしょ。そんな感覚が伝わる曲です。
少しペシミスティックな曲ですが映画のワンシーンのような美しさがあります。3000円オーバーの値打ち、しみじみ感じるなぁ。
"Carnival Of Colors - Paulinho da Costa"
これはこのアルバム全体に言える事ですが、音楽を創り上げている様子には皆さん感激されると思います。心底音楽が好きなんだと思う。パーカッショニストの2枚目リーダーアルバムという事で、何らかのアレンジでパーカッションが前面に出るようなイメージを持ちましたが、決してオーヴァーアクションにならず、音楽に徹した好アルバムになっています。真摯な姿勢は伝わるんだ。
生涯の友になるかも
~breeze presents AOR collection~ハッピー・ピープル
Sunrise
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Pointer Sisters
"HAVING A PARTY" 1977
Pointer Sistersは"THAT'S A PLENTY" 1974に収録の"Salt Peanuts"で一躍スターダムに上ります。
但しその頃の彼女達は、ブラックコンテンポラリーというより、ロックテイストの女性コーラスグループというイメージが強かったように思います。
ですので、正直なところ、私は彼女達の方向性があまり好きではなかったのです。
ところがそれから3年後、彼女達がリリースしたこのアルバム"HAVING A PARTY"の収録曲に、私は見事にはまってしまいます。
お気に入りはたった一曲なのですが、とてもマチュアーなナンバーの"Bring Your Sweet Stuff Home To Me"。曲もRhodesもStevieでした。やっぱり判る。私の中では名曲リストに載る曲です。
彼女達はどちらかと言うと他のミュージシャンに比較し声が細いほうです。ある観点からは、不安定なところすらある。タイトさや張り、腰の強さを求めるならEmotionsの方が安心して聴けますしファンキーでもあるでしょ。
しかしながらこの曲は、そんな比較次元にはなかった。
この曲はサンバを基調に、彼女達のリズム感を前面に打ち出すことで、たたみかけるドライブ感を醸し出しています。
一方で、驚くほどメロディアスなベースフィルインによって、とても豊かな和声色彩を得る事にも成功しています。
百歩譲って、他にも同じレベルの曲が幾つかあるとしても"・・・ Sweet Stuff ・・・"が突出して素晴らしいところは、これだけ強いグルーヴを持ちながらも、曲全体には何ともいえない物憂さ、壊れやすさを帯びている点にこそあると思うのです。
このアンビバレントさに、あの時代の焦燥感みたいなものが見えるように思えるのです。このコントラストは秀逸。心もとなげな歌いが、それを更に鮮やかに見せています。
類稀な・・とはこういうことを指すんだろうな。
"Bring Your Sweet Stuff Home To Me"
彼女達はその後1981年の「SLOW HAND」に代表されるようなロック色の強いものをリリースします。かつてカバーしたブルース・スプリングスティーンの「FIRE」の延長上の感がありました。
何故なんだろう、彼女達はその後"・・・ Sweet Stuff ・・・"のような曲をとり上げなくなってしまいました。逆にあの曲が何かの弾みで生まれた偶然の産物だったかのようにも思えてしまいます。
それがとても残念なのです。
「行く先が違うんだよ」・・と言いたくても・・・、所詮それは御門違いというもの。元々彼女達の志向性ではなかったのでしょう。なんと言うか、縁の無かったガールフレンドみたいなもので、良かったことだけ覚えておく事に。
とにかく一度"Bring Your Sweet Stuff Home To Me"を何とか探して、チェックしてくださいな。
アンニュイながら根底には熱いアーバンソウルが流れています。
Yes We Can: Best of Blue Thumb Recordings
Jump: The Best of the Pointer Sisters
ステッピン
Platinum & Gold Collection
ポインター・シスターズ・グレイテスト・ヒッツ
ベスト・オブ・ポインター・シスターズ
あった!コンピですけど
FREE SOUL MIND
本家からも出てます!
このシリーズが2アルバム出ていますが、何れも2枚組
でもそれぞれ殆ど同じ曲が順序入れ替えで入ってるという代物
このアルバムの場合、2枚目のほうが曲数が多い
ちょっと変わってますけど、何れにせよ内容は最高
"Bring Your Sweet Stuff Home To Me"は1枚目2枚目双方に収録されてます
The Wonder of Stevie
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October 07, 2005
Patti Austin
Dave Grusinが押すだけのことはある。このアルバムにこの人の実力片鱗を見た。ただ正直なところ楽曲は今一。でも完成度には十分頷けました。Patti Austinはこの後に
"Razzamatazz"
"Do You Love Me?"
"Baby,Come to Me"
"Say You Love Me"
など主に"Me"が付いてくる名曲(んっ?)に恵まれ、超売れのがんがんヒットを飛ばして行きますが、このアルバムを聴けば、彼女の成功には納得がいきますね。基本が出来てるもの。
HAVANA CANDYには"Golden Oldies"というロックンロールが入っていますが、ソウルフルな彼女が歌うロックンロールもまた楽し。派手めのアレンジで結構良いです。
んまぁ・・・この頃はとにかく綺麗でしたね。
"Do You Love Me?"
"Say You Love Me" ロングヴァージョンです
"Do You Love Me?"収録。センスとパワーは衝撃だった。
1981年Qwestです。さすがクインシーだと思う。
Every Home Should Have One
エンド・オブ・ア・レインボー
ベスト盤。たいていのおいしいところは入ってる。
でも、"Say You Love Me"のアレンジは短く、LPバージョンの良さが出てないのが残念。口笛&スキャットが短いのです。何となくフェードアウトもそっけない感じ。
んまぁ、そうそううまい話は無いっちゅうこっちゃね。
The Very Best of Patti Austin
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October 04, 2005
Con Funk Shun サマンサ
"TO THE MAX" 1982
私が最初にCon Funk Shunを知ったのは、ブラコン喫茶のカーネーションでもレコード店のリバーサイドでもなくディスコでした。
”ク・ラ・ブ”ではなく”ディスコ”です。
当時京都先斗町にはサマンサというブラックミュージック専門の小さな地下ディスコがありました。男一人でも入れるディスコだったので、私は午前0時を回るとそこをよく訪れました。ブラックミュージックファンの間では結構有名な場所でもあったのです。
ちなみにわたくしその頃は、将来娘が出来たら「ディス子」、息子なら「踊(おどる)」と命名する勢いでした。
サマンサの経営ははっきりしていて、客がある程度入ったら、後から来た客は無理に入れたりせず帰ってもらうというスタイルでした。私の行く時間帯は客もとっくに引けている頃なのですが、そんなやリ方も気に入って通っていたのです。車を阪急百貨店裏の電信柱の隣に駐車し(駐禁が来ない!)、だいたい朝3時くらいまで好きな曲探しをしていました。サマンサはリリース情報も早かったのです。先斗町辺りは、難儀な事も起こる場所ではありましたが、サマンサでは結構気楽な時間を過せました。
カウンターにはトラちゃんという、ジョージ・クリントン系の腰の強い音楽が好きな人が入っていました。彼の好みは私の志向するものとは違っていたのですが、ある晩トラちゃんに「ブラック・ミュージックお好きですね」と言われたことがありました。
実のところ少し戸惑いました。私は彼のようにClub Nouveauの"Life Love and Pain"みたいな後にいうハイエナジーを敬愛しているわけではなかったからです。実はちょっと苦手でもあった。そこで自分の好みを端的に表現しようと「そうですけど、どちらかというと茶色いですね」と言ってみたんです。それが上手く通じて、その後、私に合うリリースをいろいろ教えてもらうようになったのです。その中にCon Funk Shunもありました。自分の好みを少し茶色い・・と表現するようになったのはそれからです。
私のお薦めは誰にでも聴きやすい
"Too Tight"、"Ms.Got-The-Body"。
後者は結構タイト系ですけどね。
"TOO TIGHT"
"Con Funk Shun / Ms. Got the Body"
サマンサではいろんなことがありました。とんでもないようなこともあったようですが。私には楽しい思い出が多いです。
ただ、驚いたというか、ラッキーというか、サマンサの常連に祇園のニューハーフの方達が居て、その人たちと何度か一緒になったのです。彼女・・達は仕事帰りに踊りに来るのですが、すぐ脱ぐんです。曲にあわせてそれはそれは綺麗に脱ぐ。はっきり言って相当な美人ですし、体はごつごつなどしていない、描き出したような「女性」なんです。そこいらの(失礼)女性より女性らしい。理想の女性を常に見据えているところが彼女達の根本エナジーなのだと知った。これ、打算があると維持できない姿勢だと思うな。
でもきつかったのは、トラちゃんも必ず一緒に脱ぐことでした。
対比がとってもソウルフル。
お薦めは"TO THE MAX" 1982
"Ms.Got-The-Body"収録
"Too Tight"収録
Con Funk Shun - Greatest Hits
ベスト・オブ・コン・ファンク・シャン
THE BEST 1200 コン・ファンク・シャン
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October 02, 2005
Deniece Williams
"I'm so proud" 1983
やっぱり83年辺りは宝の山です。
琴線に触れる名曲を思い出し、レコードを引っ張り出してくる度に、リリース年を見て笑ってしまう。
映画フットルースにとり上げられた"Let's hear it for the boy"の影響で、Deniece Williamsの音楽性が少し誤解されているところがあるように思います。Deniece Williamsは音楽的に決して軽量感覚志向の人ではありません。ブラコンの中でも王道を行く人で、ポップ路線の方ではないんです。
この方、かつてアースのモーリス・ホワイトがエモーションズに続き強力プッシュした歌手であり、元スティーヴィー・ワンダーの秘蔵っ子として実力評価の高かった人でもありました。
今回ご紹介したい"I'm so proud"はGeorge Dukeのプロデュース。
トップは最高にお薦めしたい"Do What You Feel"。
この名曲を打ち出したメンバーが強力。
Louis Johnson on:b, Rickey Lawson on:dr,
George Duke on:rhodes&prophetV,
Mike Sembello on:g, Ernie Watts on:tenor
うわっ!この頃のフュージョン最高面子やんか。好きな方はこの面子で大体の音がわかると思います。はい、そのとおりの強力サウンド。
この曲はDenieceとGeorgeによるものですが、和声はGeorgeでしょう。m9th系の美しく広がりのある響き(ローズやプロフェットファイブに良く合うんだなこれが)は、和声の金字塔を打ち立てたと言って過言ではないでしょう。KashifもJam&Lewisもこれ系です。
この和音の土台をRickey Lawson&Louis Johnsonががっしり支え、Mike Sembelloが小気味良いギターを重ねています。その上でDeniece Williamsがバンドを信頼しきってフリーに歌っている。
こらぁたまらんね。
私の持っているLP"I'm so proud"はピンクのジャケットなんですが、同じジャケットはCDでは見つけられませんでした。
お薦めの"Do What You Feel"はベスト盤でも収録されていますので、是非ともチェックしてください。
それにしてもショートディレイ+フェーズ音のストラト、最高の響きですね。
"Do What You Feel"
ちなみに他のお薦めは、
彼女のNo1ヒットシングルとなった"Free"。
Johnny Mathis & Deniece Williamsのデュエットで、
少し茶色くてアンティークな"Too Much, Too Little, Too Late"。
これはスマッシュヒットしましたね。
The Best of Deniece Williams: Gonna Take a Miracle
Love Songs
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October 01, 2005
Daryl Hall & John Oates
"Voices" 1980 〜
この方たち、大好き。
ブラックミュージックに強い影響を受けたと自身も語っていますが、驚く点は彼らの消化吸収力。自分たちをインスパイアしたブラックミュージックを自身の音楽に取り込み、全く新しいスタイルに創り上げていったところに尊敬の念を覚えます。
また、ミュージシャンとしての基礎力にも敬服するものがあります。
彼らはあれほど高い完成度のアルバムをリリースしておきながら、それ以上の分厚いコンサートを披露してくれる。これぞプロ。アーティストだと思う。大阪公演感激だったもんな・・・。
わたくしの所蔵の中でブラコンでないものは僅少。彼らはその中での横綱級です。わたくしが彼らを愛聴する理由は、
■和声が美しく広がりがある
■和声に対しメロディーの織成すテンションが秀でている
■なにより曲、歌いに個性がある
■アレンジが小粋である
■リズムがどっしり座っている
からであり、これはブラコンを敬愛する観点と全く同じ。音楽ですからそうなんですけど・・・。でも彼らも多分そんな気持ちでブラコンを愛しているのだと思う。
だから、ブルー・アイド・ソウルという呼び方をあまりしたくないんです。
80年前半の愛する曲シリーズは、まず"How Does It Feel","Hard to Be in Love with You","Kiss on My List"です。これらの曲は和声、グルーヴの点で単なるロックとは言い難いでしょ。
"How Does It Feel"の出だしコード進行、その発想には驚きますね。基本は2度下からルートへの展開ですが、この緊張感ある和声選択には才能を認めざるを得ません。"Voices"からの曲は何れもHall & Oatesサウンドの芽生えがはっきり姿となって来ています。特に"Kiss on My List"は後世に残る名曲。
後は、"Private Eyes","I Can't Go For That (No Can Do)","One on One","Guessing Games"等に惹かれます。
"Private Eyes"はポップで楽しいですが"I Can't Go For That (No Can Do)"はとても個性的な展開で、いったいどんなところからこの曲のきっかけを掴んだのか、知りたくなるような作品です。他で聴いたことのない色彩感が彼らの素晴らしいところ。発想は大胆で個性的、且つセンスがとても細やかである。これは大物の証。
"One on One"は語りかけるようなメロディーが素晴らしい。この曲に関しては大阪公演でDaryl Hall自身が少しコメントを入れて曲紹介していました。当然プライベートなことはぼかしているのでしょうが(笑)彼もこの曲には想い入れが強いのだと思いました。
"Guessing Games"は和声が綺麗。和音のなだれ込ませ方に彼らの音楽性の豊かさがうかがえます。重量感はありませんがポップ感覚が楽しくて好きな曲です。
他にヒットした曲もありますが、和声、メロディー、ノリともにこれらには及ばない感じがします。
共通テーマ「ブラックコンテンポラリー’70’80」からは遠くなるので、掲載区分を考えますが、”ブラコン大好き”のほうで、今後派生的にご紹介したいと思うアーバンコンテンポラリーは、
Boz Scaggs,Ned Doheny,Robert Byrne
Isabelle Antena,Basia,Matt Bianco
Peter Allen,Bobby Caldwell,Fifth Avenue Band,Ben Sidran
Blow Monkeys,UK Players,Fashionなどなど。
80年"Voices"より
"How Does It Feel"
"Hard to Be in Love with You"
"Kiss on My List"
81年"Private Eyes"より
"Private Eyes"
"I Can't Go For That (No Can Do)"
82年"H2O"より
"One on One"
"Guessing Games"
ザ・ベリー・ベスト・オブ
ダリル・ホール&ジョン・オーツ 12インチ・コレクション
ダリル・ホール&ジョン・オーツ・バラード・グレイテスト・ヒッツ
H2O
モダン・ポップ
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Whitney Houston ジャケット違い
"Whitney Houston" 1985
あっらぁ〜!またまたジャケット違うやんかぁ〜 part2
シシー・ヒューストンの娘、叔母さんがディウォンヌ・ワーウィック・・・だからではなくて、これはKashifがプロデュースで入っていたので注目したアルバムでした。
このデビュー盤、他に
Narada Micharl Walden(この頃のドラムノリはあまり好きではなかったけど)、
Jermaine Jackson等もプロデュース参加しており、力入ってるんだねってな感じで内容に期待しました。
表ジャケットを見て最初の印象は、
「わりと濃い」
「モデル・・なんすよねぇ」
「どちらの高原から来られたか」等々、微妙でした。
でも、徐にジャケットを裏返すと、中央の写真に別人が!。うわっ美しい!凛々しっ!ごぉーじゃす!あ足長がっ!・・・で、購入しました。
音楽的期待もそれほど裏切られなかったです。
暫くし、めでたく日本盤発売。店頭で発見したのですが、上記わたくしのハイレグによる購買衝動も含め、大和民族の価値観露呈に赤面。
裏ジャケの写真が表になってる!。アニミズムを感じる写真は裏に・・・。
そりぁね、注目度とか購買力とか、ねっ、わかるよ。でもね、作者の意図やオリジナルへの敬意ってもんがあるでしょ。あって当然でしょ。レコードという「商品」を売って儲ける人も、歌った人、創った人のおかげもあってご飯食べてるんでしょ。
俺が俺がの「が」を捨てて、おかげおかげの「げ」で生きる・・・なっ、聞いたこと、あるやろ?。
きょうびのにっぽん、おっかしいよなぁ〜。と思いつつ、やはり裏ジャケに見惚れてしまう自分がまたかわいい。
んっ、けっこうわかり易いかも。
その後、Whitney HoustonはB・Bと結婚、公私共に色々ありましたが、このアルバムには、その後の音楽活動へのカタパルトとなった曲がいっぱいです。
ポピュラーなところでは、"You Give Good Love ","Someone For Me","Saving All My Love For You","How Will I Know","All At Once","Take Good Care Of My Heart","Greatest Love Of All ","、うっ、殆どヒットしてる。マーケット戦略もあったか・・・。
一つだけ言わせて頂けば"Greatest Love Of All"をとりあげるには若すぎたと思う。歌いが堅いようです。
G・Bensonの"Weekend in LA"に収録の同曲は流石どっしりと説得力があります。
これに収録のKashifは、ニュアンスが少しプリミティブですが聴いてみる価値十分。
"Thinking About You"
売れ線以外にこんな一面もあり、NJ-Swingに力点を置いても成功したと思う
"Whitney Houston - Thinking About You"
オリジナルジャケット
Whitney Houston
↓↓ ↑↑
日本版ジャケット
そよ風の贈りもの
ザ・グレイテスト・ヒッツ
DVD
”あんだぁ〜ぃ”
ボディガード
”あぁんだぁ〜〜〜ぃ”
ボディガード スペシャル・エディション
イラストいけてるやん!
ホイットニー・ヒューストン ベスト・コレクションDVD
Finis Henderson ジャケット違い
あっらぁ〜!またジャケット違うやんかぁ〜
Finis Hendersonデビュー盤「Finis」をCDでも持っておきたいと思い散々探しました。ところがなかなか見つけられなかったんです。それは発売当時のLPジャケットとはデザインが変わっていてイメージが全然違っていたからでした。
今のジャケットはこれ。邦題が「真夏の蜃気楼」(AOR系に引越しか?)だそうで、かなりさわやか。ミントなイメージなんだけど・・・音はこんな青系のイメージじゃぁないな。
実はねぇ。
元のジャケットはねぇ。きつかったんですわ。
元々この人はTVコメディアンなので、元ジャケデザインがギャグなのかどうか迷ってしまった。ファッションもかなり微妙。
・・っで、
Finisってどんな感じの人なのかというと・・・うぅ〜んとねぇ・・・
まず、画家にあこがれる女子中学生を想像してください。その子は頑張って、男前を描こうとしました。目指すはごぉっつう男前です。それも濃いめの顔立ちで、ちょっとやんちゃなアル・パチーノ系を狙った。
ところがその子、哀しいかな、もひとついけてなかった・・・。パチーノがスタローンに、それがビリー・ジョエルになり、描けば描くほど清水K太郎が入ってしまい・・・濃いめの目元ラインは、日活の悪役の下まつげみたいな感じに・・なってしまった・・あぁ・・・不細工。
それがこの元ジャケ。
お薦めは!(そこまで腐してお薦めはないやろ!)
"Skip To My Lou","Making Love"
プロデュースはアース様のAl McKay。
ゆっときますが曲は好いからね!。説得力無いかも知らんが・・。
軽めですけど結構いけてるから。本人も実は男前ですから・・・。
"Finis Henderson Making Love -1983-"