January 2006
January 28, 2006
Ned Doheny 都会派宣言
"Hard Candy" 1976
私の中でRobert Byrneの"Blame It On The Night"と並ぶ名盤、Ned Dohenyの"Hard Candy"のご紹介です。
このアルバムとの出逢いは、知り合いの音楽ファンカップルのガレージセール、当時まだ珍しかったいわゆる学生どうしの”要らないもの買ってね相互生活支援活動”でのことでした。
彼と彼女はもともとちょっと土埃感のあるロックが好きな人たちで、デビューのNedのイメージでこれを手に入れたらしいのです。ところがこのアルバムではテイストが変ってきており、買って早々売ることにしたのでした。
彼女の方が「これなんか好きなんちゃう?」とこのアルバムを差し出したのですが、サーファーちっくなジャケットだったので、あれっと思い「どんな音なん?」と聞いたのです。すると彼がすかさず割り込んで来て「ギターがSteve Cropperやねん」と嬉しそうに言ったのでした。
”どうもちぐはぐ・・・”とも思いましたが、楽しげなジャケットだし、Steve Cropperなら聴きたいと思ったし、何より彼と彼女の生活支援に何かしなければならない状況だったので、買うことにしたのです。
下宿に帰って針を落とすと、少し土の匂いはするものの、なかなか良い。和声も綺麗。カントリー系の鼻に付くギターはあまり無いし、作曲センスは流石に良かった。でも2曲目"If You Should Fall "に入ったとたん、顔がぐっとほころんでしまった。キャッチー!
Boz Scaggsに優るとも劣らない都会派宣言でした。
とっても当たりな作品、今でも大好きなアルバムです。
Nedはこれ以降、この路線に転換して行きました。時代でしたね。
"Ned Doheny - If You Should Fall (1976) "
話が飛びますが、東京事変でこのアルバムの"Get It Up For Love"をカヴァーしてますね。音は少々クラブちっくですが、このあたりの曲を選ぶところが良いと思う。
わたくし椎名林檎さんの”茜さす 帰路照らされど・・・”は名曲だと思う。イギリスか何処かでの彼女の思い出なのかな。
それにしても、りんごちゃんは正面から見ても毎回別人に思える。いつも「どこかでお逢いしてますよねぇ・・・」てな感じがする。
りんごちゃん系の人はセンスあるかも。女性らしい才能感じるな。
明治ミルクとオレと佐野さん・・・
- Get It Up For Love
- If You Should Fall
- Each Time You Pray
- When Love Hangs In The Balance
- A Love Of Your Own
- I've Got Your Number
- On The Swingshift
- Sing To Me
- Valentine (I Was Wrong About You)
それでその次が大変に楽しみになり、このアルバム"Prone" 1979がリリースされると即購入しました。
前作に比較して色彩に欠ける感がありました。結局、私はこれ売ってしまいましたが、音作りは悪くなかったと思います。
その後、ずいぶん時間が空きましたが、Average White Band、Chaka Khanらを通じて、Nedさんの作品にはずいぶんお世話になりました。
わたくし、Ned&Hamishの作品には大好きな曲が多いです。そんなこんなで"Between two worlds" 1993のリリース時、久々に買ってみることにしました。あれからずいぶん時間がたったけれど、それが何となく伝わって来るジャケットデザインにも好感を持ったのです。
"Hard Candy"を手にした時の高揚感が何となく蘇るように感じながら、アルバムを聴き始めました。このアルバムはやはりレイドバックしています。でも、Nedのきらきらしたハートは確かに息づいていました。
タイトルチューンの落ち着いていながら熱い生ギターに続き、Nedの「あの」歌声が始まると、まるで時が戻るようです。
Ned独特のトーン高めの歌い上げは、以前はかわいいとも聴こえましたが、今は随分かっこいいオヤジになりましたね。
こうありたいよな。
ハード・キャンディ(紙ジャケット仕様)
ハード・キャンディ
プローン(紙ジャケット仕様)
プローン
トゥー・ワールズ
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January 12, 2006
Chas Jankel 原作に敬服
"Chas Jankel" 1980
Quincy Jonesの"Ai No Corrida"にはChas Jankelへの敬意が感じられませんか?
オリジナルと聴き比べるとわかりますが、Quincyのアレンジは原曲に実に忠実です。生み出した人物には所詮かなわないことを、流石大物は、体で理解しているように思えるのです。
Quincyの"Ai No Corrida"を聴くと、音理的に和声整理され、整ったグルーヴ感が生み出されている事がはっきりわかります。しかしながらアレンジといい、基本和声、フレーズといい、あまりに原作に忠実なリメイクが成されている事によって、逆にQuincyのクリエイターとしての誇りが強く意識されてくるように思うのです。
原作との違いは、一部のコードテンションが異なるところと、印象的なブラスフレーズのところで、Chasがフレーズ最高音部分をブルーノート(ペンタトニックスケール)を感じるクロマティックなアプローチをかけているのに対し、Quincyはキースケールに従い和声的に聴きやすいフレーズに転換している・・・というところくらいでしょうか。
(Quincyはフレーズ最高音をKey音階に従い半音高くしハーモナイズさせている)
しかしながら、エキセントリックなインストインターバルまで原曲に忠実な音作りをしている様子には、前述のようにかえってQuincyの音楽家としてのプライドを感じてしまうのです。
私は美しいブラコンとしてQuincy Jonesの"Ai No Corrida"は完成度が高いと思います。大好きな曲の一つです。
但しChas Jankelのオリジナル"Ai No Corrida"には、誰も至ることがないと思うのです。
かつてエリック・クラプトンが「ジミにはだれもかなわないよ」と言ったとか・・・。それと同じものを感じますね。
大島渚監督の愛のコリーダを見た当初、Chasは”I Know Corrida”というタイトルだと思っていたそうです。原曲の荒削りでとても熱い音作りには、その当時の彼の気持ちがストレートに表れているように思えます。
私は原曲はテープでしか持っていません。
塩ビ盤持っている方、それうらやましい。ものすごい財産ですよ。
表記はChasなのかChazなのか・・・上記アルバムはChasですがHPはChazです
Chaz Jankel Official HP
Quincy Jonesのアルバムしか見つけられませんでした
でも勿論これも好アルバムです
上記の他にお薦めする収録曲は
Jemes Ingramの定番"Just Once"
このブログでもご紹介しているPatti Austinの"Razzamatazz"
贅沢でしょ
The Dude
クチコミを見る
Chaz Jankel のシングル"Ai No Corrida"
Cisco Recordsさんで取り扱いあり
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January 09, 2006
January 08, 2006
Delfonics 新旧比較
70年初頭のSweet Soul、Philly Grooveの大御所、Delfonicsの登場です。65年の結成との事ですがアルバムデビューは本作1968。
今回は多分誰もが口ずさんだ事のある"LaLa Means I Love You"のお話です。
私も中学生の頃ラジオで聴いた記憶があります。当時の私には甘ったる過ぎて食い付きはしなかったのですが、何か気になる曲だったんです。今聴くとやはり名曲ですね。
この曲、実はテイクが2つあります。
録り直してるんですね。これはバカ売れした加減でしょうか。
でもねぇ・・・。
まず、オリジナルの"LaLa Means I Love You"。
バッキングギターのカッティングが、これ以下ではノリが出なくなるぎりぎりのテンポで刻まれていて、その上にヴォーカルがゆったり乗っている感じが、まさにSweet Soul。
良い曲だなぁ。
"LA LA MEANS I LOVE YOU"
今度は、リテイクの"LaLa Means I Love You"。
んっ〜、あまあまぁ〜。甘すぎ。
ノリのエッジが欠けてしまってる。
グルーヴ感無くなってる。
キーも下げとるやんか。
私はこのあたりの感覚に、中産階級化したブラコンの危機を感じたのです。
ん〜何て言うのか・・・何十年もヒットから遠ざかってる演歌歌手が、かつての唯一ヒット曲を、めっちゃくちゃレガートして、原曲の姿がわからんくらいに引き伸ばして歌ったりするの・・・大晦日の紅白で見たことないですか?。
(紅白見てんの?)
あれと共通するものを感じるなぁ・・・。
やるんならBarry White様くらいごぉ〜じゃすに徹底したらいいのに。
いや、申し訳ないが、このテイクは評価できません。ご容赦。
やっぱりオリジナルが好いですよ。
La La Means I Love You
Best of Delfonics
Definitive Collection
La La Means I Love You: The Definitive Collection
The Best of the Delfonics
La La Means I Love You
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January 07, 2006
O'Jays イカしてるよな!
"Backstabbers" 1972
先にTavaresを書いてしまいました。やはりO'Jaysを記しておかねばなりませんね。超お薦めは定番中の定番のタイトルチューン"Backstabbers"です。
音創りがかっこいい。イカしてる。都会の闇が見えるようです。
ギターの小粋さにはKOされますね。
こりゃぁ敬礼。
できるもんならやってみな・・ってな感じ。技巧じゃないもの、これは。
蛇足ながら"Backstabbers"は直訳「背中を刺す人」から転じて「陰で中傷する人」の事。邦題は”裏切り者のテーマ”だったりしました。ふむふむ・・何となくわかる。音楽表現力、あるよなぁ。
更なるお薦めは"Love Train"。これもタイトでパワーがありながら音がお洒落な曲です。この曲のコーラス、我々がコピると間違いなく「村の青年団」になってしまう。
もういっちょ、別アルバムですが"Use ta Be My Girl"。これはキュートさのある曲。
他のコーラスグループに比較して、O'Jaysは男らしい歌声の部類に入ると思いますが、音作りはお洒落で現代的でした。だからソウルじゃなくてブラコンにカテゴライズしました。
Back Stabbers
ベリー・ベスト・オージェイズ
The Essential O'Jays
Message in Our Music: The Best of the O'Jays
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January 04, 2006
Tavares ディスコだったね!
Tavaresといえば"It Only Takes A Minute"ですね。これはLPのベスト盤でネオンチックなデザインがイカしてます。
後にリメイク版も出てリバイバルヒットしていましたが、やはりオリジナルが一番熱いと思います。リメイク版はパーカス&ドラムが入りすぎて、かえって聴く者が置いて行かれる感じがしませんか?ハイハットの裏入りはオリジナルがちょうど良い塩梅で、それ以上はちょっと食傷気味になる。
"It Only Takes A Minute"は当時のディスコサウンドの中でも、そのノリ&アレンジがぐっとハードな感じで大流行しました。でも歌詞内容は軟派で、「オレめっちゃ自信あんねん!」みたいな感じむんむん。そんなところもとってもブラックミュージックらしかったですね。
わたくし年末年始、母親の引越し騒ぎで年の初めから疲労困憊。
今日はこれでおしまい。明日から会社。 あぁ〜やだ
ちょこっと追記。今日は8日。
年末年始の引越しの無理が祟り、肋骨が痛いんです。いい年なんでこれって疲労骨折?くしゃみしても痛い。
更なるご推薦は"More Than a Woman"。サタデーナイトフィーバーですよ。わたくしこの映画は今一でしたが、この曲は良いですね。
もう一曲"Heaven Must Be Missing an Angel"。かわいく健全な感じ。
この頃は16ビートのハイハット裏入りが主流でした。このあたりの曲は前述"It Only Takes A Minute"とともにその頃を代表する曲かも。
ベスト・オブ・タバレス(CCCD)
Madame Butterfly
Capitol Gold: The Best of Tavares
Heaven Must Be Missing an Angel
Best of the 70's
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