February 2006
February 26, 2006
グルーヴ感の勝利
トリノオリンピックには思うところが多々ありました
島国の価値観、井戸の中の評価視点、それに甘える軽さ、メディアのハイエナ性、その犠牲になる才能等々。
何より、全ての競技に内外レベル差を痛感しました。特にロシアのフィギュアペアの芸術的演技は世界レベルの高さを見せ付けるに十分。外海の波の高さを教えてもらった気がします。
そんな中で演じられたイナバウアー。
静かな演技ながら息を呑むスピード感がありました。
直前の技から一分のエネルギーロスもなく、大きな弧を描いて巨大な軌跡がスタートする。
等速運動の持つ孤高な美しさがありました。
「もう一度見たいと思うような演技がしたい」
実に素晴らしい感性だと思う。
この演技は本当に何度も見たいと思う。
彼女はスケートというものの特質を見逃さず、黙した技を通じてその美しさを教えてくれたような気がします。
真のプレイヤーというか、何かを極めようとする人のハートに打たれた気がします。
「評点には関係なくイナバウアーを演じたい」
彼女の決然とした姿勢には、美しい音楽を生み出して来た感性に通ずる信念を感じます。
ラヴェルが、きれいな女性よりも、遠くに在ろうとも力を失わない機関車の方が美しいと評した事は有名ですが、その感性は名曲ボレロとなって表れました。「急遅」による表現などでは語ることができない、より高次な宇宙観をラベルは描こうとしていた。それには広大な曲の流れ、不変のリズムが必須だった。だからボレロのリズムは圧倒的で揺るぎないものとなりました。
このブログでご紹介したJimmy Jam&Terry Lewisのグルーヴ感もそうです。恒星間を行くが如き速度感を、スネアのリズムと残響を極めに極めて描き出し、幾多の名曲を残して来ました。
音楽が本来持っている圧倒的な力とは、ジャンルを問わず、こういった普遍的なダイナミズムの素晴らしさなのだと思う。
荒川静香さんのイナバウアーにも、同じ力強さ、気高い美しさを感じるのです。
彼女はスケートの心地よさを体で感じていたのだけれど、8年前は初舞台の緊張で、そんな自分を見失ったのかも知れません。
その経験から何かに気づいて、彼女はトリノの大舞台で、自分が感じ続けたスケートの良さを素直に表現することにしたのだと思います。
(経験を活かせる能力がある事自体、既に凄いですけど)
それが見事なイナバウアーとなって表れました。
音楽を時間芸術、彫刻や絵画を空間芸術と称し、それらが統合された演劇や舞台を総合芸術と呼びますが、今回の荒川さんの演技は、実に美しい時空であったと感じています。
追記です
つい昨日のことですが、オリジナルのイナ・バウアー選手の演技放映を偶然見ました。
発見した更なる感動は、荒川さんのイナバウアーは、イナ・バウアー選手のオリジナル演技に比較し、既に荒川さん自身の新たな技として、昇華されていたことです。しかもその練り上げは相当高い次元に至っていました。
アメリカのニュースキャスターが「この技に新しい名前を付けたらどうか」と言っていましたが、その意味がやっとわかりました。
荒川さん自身があの技をイナバウアーと呼ばれていることに、彼女の先人に対する敬意の念を感じ、とても好感を持ちます。でも、あの美しいターンには、是非「新しい名前」を付けて頂きたい。
Shizuka Layback Spin・・・Shizuka Arc.・・・Arakawa Warp.・・・
荒川さんのイナ・バウアー選手への敬意を表し、
・・・Blooming Ina Bauer・・・Bauer Arakawa Arc・・・等々
今回のトリノにはいろんな思いがあります。
それは文化的輸入国でしかなかった日本の成長過程と、その両極を同時に見たからだと思います。
スノーボードが競技として成熟し、その中で日本も活躍できるようになる頃、荒川さんはそれらをどのように見ているだろうかと、沸々と思うのです。
荒川静香 Moment ~Beautiful skating~
スポーツつながりというわけではありませんが、
思い出したので掲載します
荒川さんは、この主人公より天才性が高いです・・・
アラン・シリトー著 1959年
でも、今だからこそ触れる価値あり
長距離走者の孤独
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February 23, 2006
Kool & the Gang やっぱJT
"Something Special" 1981
"As One" 1982
所謂、ファンキーでハッピーなブラコンといえば、やっぱ彼らでしょ。
私のお薦めは
"Something Special" 1981と
"As One" 1982。
これらはJames "JT" Taylerを迎えてからの彼ら全盛期のアルバムです。"JT"つったって、たばこじゃぁありやせんょ。
ほんとにJTの歌声は個性的。クールのイメージはJTの声で確立されたと言って過言ではありません。かなり前にクール脱退後のJTソロコンサートに行きましたが、その存在感の大きさにやはりびっくり。まるっきりクールのコンサートでしたね。
その後、旧大阪ブルーノートに新生K&Gが来たので出かけました。悪くなかったのですが、新ヴォーカリストのSkip Martinは、JTの声を意識させすぎる(似ている)ので、逆にちょっと寂しかったですね。
オリジナリティーは違って当たり前だから、割り切って歩んで欲しかったな。
クールのいいところは、洗練されていないところ。(御容赦)
彼らのアルバムはどことなく茶色くて、和声もプレーンです。リズムも強烈過ぎず、ハッピーな感覚なのがクールのいいところ。
正直言って、二枚目になり損ねてる所も多い。
"Something Special"に収録の"No Show"なんかにそれが表れてます。
この曲、ふられパターンのバラードなんですけど、
彼女が来ないことがわかっていながら、
雨に佇む自分、自分、自分・・・嗚呼、自分・・・。
自分大好きの曲なんです。
この手の自分大好きは、二枚目にはなれなさそう。
でも、憎めないんですよね、彼ら。
"Something Special"からのお薦めは
のっけから調子の良い"Steppin' Out"
とってもクールらしい"Get Down On It"
前述のバラード"No Show"
イカしたジャケットの"As One"。
このアルバムからのお薦めは
みんなが笑い声をまねた"Big Fun"
Celebrate!
Something Special
As One
ベスト盤、"Joanna"や"Too Hot"まで入ってます
The Very Best of Kool & the Gang
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February 01, 2006
80年代、来てます!
いや、マリックさんじゃないんです。来ているのはハンドパワーではなくてカルチャー。
それに迎合するかのように70年〜80年代ブラックコンテンポラリー、アーバンコンテンポラリーにインスパイアされた"J-POPサウンド"は、ほぉ〜んとに多いです。
メロディーだのリフだのではなくて、和声とグルーヴを真似てるのが多いんです。概してノリが小さいけれど、私はモノによれば良いのがあるとも思う。
やり方が嫌なのは、正直あるけど・・・。
実際、倖田來未もサビが良い感じ。あんな衣装はもういらんやろ。SOULHEADもロジャーばり(褒め過ぎかな)。
そんなこんなで、
意図せずこのブログで紹介して来た原曲RESPECTシリーズを以下に掲載します。ここに紹介したのは、良いのが多いです。
結構これがきっかけでブラコン大好きになるかもね。
■倖田來未 D.D.D. feat.SOULHEAD 偶然keyまで一緒、続けて聴ける。いっそ"12にメガミックスったらどうでしょうか
D.D.Dはサビのノリがイカした曲です
でもODギターのチョーキング多用がグルーヴ殺し気味かも
和声進行、サウンドメイクはこれにインスパイアされたか・・・
↓ ↓ ↓
Cheryl Lynn
"It's Gonna Be Right"
■ドリカム1 勝負は週末
↓ ↓ ↓
同じくCheryl Lynn
"It's Gonna Be Right"
■ドリカム2 見つめる目ん玉達
↓ ↓ ↓
Barry White
"Can't Get Enough of Your Love, Babe"
"What Am I Gonna Do With You?"
+舞妓若寸まいこーじゃくすん
"Rock with You"
■Char 輝くあなたと眩しい一日
↓ ↓ ↓
Fashion ⇒ Boz Scaggs "Low Down"
"Low Down"
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