September 25, 2005

Ramsey Lewis 名演に感謝

"LOVE NOTES"  1977


音楽に支えられたこと、ありますか?
私にとって忘れられない曲の一つに、
Ramsey Lewis&Stevie Wonderの"Spring High"があります。
Ramseyのsteinway grand pと、Stevieのodyssey synのユニゾン歌い上げは、とても豊かで、人間的な強さをストレートに感じさせてくれる名演です。
何をしようと、何を詠おうと人は自由です。でもそうするにはまず人としての切磋琢磨に裏付けられた誇りが必要なのが真理です。
この曲はそれを気付かせてくれるに十分な作品だったと今も感じています。大袈裟な表現ですが、この曲には特別な思いがあり、私はこの曲に救われたと思っているのです。
私がこの曲に出逢った頃、私の日常はあまり好転していませんでした。二十歳そこそこでしたが訳あって、志半ばで働く事にしたのです。でもそれは自分の想いとは似て非なる仕事でした。だから仕事を続けることがかえって未来を閉ざして行くようにも思え、かといって若かった私は、自分の力で生活することに一つの価値(責任)も見出していて、その二つの狭間で、どちらにも傾かない自分自身に嫌悪し、ただただ情けなく、自暴自棄という言葉に初めて恐れを感じながら、日々不安だけを募らせていました。
その頃は、毎朝仕事に出かける前、起きない体を起こす為、せめて気持ちを起こそうと、決まって"Spring High"に針を落としていたのです。私はこの曲をとても愛していました。それはタイトルに自己へのエールを感じたからかも知れません。或いはRamseyのピアノが語り、Stevieのシンセが歌い始める様子に、自分の心の「問いかけ合い」を見ていたからかも知れません。彼らに後押しされる日々は暫く続きました。しかし、最初はともに一つのメロディーに重なり合いながらも、ついには堰を切るが如くStevieが飛び出して行く様子に、ある朝、自分の葛藤の片付け方を教えられたような、「気持ちの向く方へ」と言われたような気がしたのです。
私は程なく会社を辞め、学生になり学ぶべきを知り(まだ学びきっていませんが)現在に至ります。今も満足なレベルではないけれど、志に背は向けなかったと思います。何より”それ”に向き合う気持ちを教えてもらったことを有り難く思っています。彼らは正しかった。
音楽に支えられたこと、ありますか?
多分、あるから、ここまで読んで下さったんだと思います。
タイトル曲"Love Notes"も"Spring High"もStevieによるものです。
最後の欄に、彼のメッセージを引用しておきました。
LoveNotes






"LOVE NOTES"  1977

SideA
1. "Spring High"
2. Love Theme from "A Star Is Born"
3. Shining

SideB
1. Love Notes
2. Chili Today Hot Tamale
3. The Messenger
4. Stash Dash



"Spring High"



ザ・グレイト・ジャズ・ピアニスト―27人が語るジャズ・ピアノの魅力

The Greatest Hits

太陽の女神

ラヴ・ノーツ


このブログでご紹介している時代がちょうどニッチな所なので、一番お薦めのアルバムが廃盤であったり、ベスト盤しかなかったり、中古品の出回りが少なかったりで申し訳ないです。
"Spring High"の二人の歌いに加え、最後のピアノの残響音に何かを感じる人は、必ず居られると思います。
見つけ次第掲載します。


There are no two snowflakes alike
No two raindrops the same
No two flowers bloom alike in Spring
There are no two hearts which love in the way
But all humanity could be served
To a greater need if we but listen to the
Notes of love which exist in our hearts

Love notes
by
Stevie Wonder



"Spring High"収録アルバムのご紹介
このシリーズが2種出ていますが、各アルバムが2枚組
このアルバムの場合は、収録曲順が入れ替わっているという設定
しかしながら内容は圧巻です
"Spring High"は何れにも収録
The Wonder of Stevie

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proue335uriuri at 10:37│Comments(5)from the Late 70's | Crossover / Fusion

この記事へのコメント

5. Posted by goto44   October 23, 2005 01:43
「昨今の状況」というのは、そこまで深いお話ではなく(笑)、
単純にレコード会社の体力低下や、そこからくる方針転換から生まれる
聴き手との信頼関係の乖離とか、その手のものですね。

“Sound Cafe”、たまに大阪・神戸出張開催もありますので、お待ち申し上げております。
proue335さんのブログ、これからもちょくちょく楽しく覗かせて頂きます。
4. Posted by proue335   October 20, 2005 21:39
ブラコン大好きです。見つけて頂き有り難うございます。
復刻CDは大阪心斎橋のHMVで買いました。ラッキーだったんですね。確かにLPとは音の「艶めかしさ」みたいなものが違うかも知れませんが、CDを手に入れたら、やっぱり何となく安心したんですよ、変な心理ですけど(笑)。
良いものはやはり残したいですね。「昨今の状況」とありますが、これはネットを介した「音楽の過当競争」の影響を言われているのでしょうか。私も不安を感じることがあります。
“Sound Cafe”へもおじゃましたいと思います。
3. Posted by goto44   October 20, 2005 17:21
確かにDJのようなこともやっております(笑)。
ブログ等の個人サイトはやっていませんで、
参加しているイベント“Sound Cafe”のサイト程度しか
お教えできるURLらしいURLが無いのが現状なのですが…↓
http://soundcafe.jp/

復刻CD入手されたとはうらやましいです。
こういうアルバムは恒常的にカタログに残して欲しいと思ってるんですが、
昨今の業界の状況だと難しいみたいですね。
2. Posted by to Mr.DJ?"goto44"   October 19, 2005 23:02
ブラコン大好き本人です。
goto44さん有り難う御座います。私は運良く復刻CDも入手できました。できればURL他お教えください。私は大阪在住なんですが、ひょっとしてDJの?
1. Posted by goto44   October 19, 2005 14:13
一介のブラックミュージック好きです。
偶然こちらのブログと出会い、拝見しております。
"Spring High"は、DJ SpinnaとBobbitoの編纂したStevieの提供曲やカバー曲集、
"The Wonder Of Stevie"に収録されています。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00009Z5G7/
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0000CG84O/
http://www.hmv.co.jp/product/detail.asp?sku=1952066
アルバム"Love Notes"は、数年前に日本のソニーがCD化していたようですが
既に廃盤のようですね…。
"Spring High"の出来が良いだけに、是非アルバム通して聴いてみたいものです。

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