October 09, 2005

George Duke 音楽考

"Dream On" 1982


DreamOn”社員っ!”
のっけはタモリの空耳アワーで絶対使ってもらえる一曲。”社員っ!”、”謝・恩っ!”
このシャウトで始まるA面一曲めは"Shine On"。このアルバムを代表するとともにGeorge Dukeの成功を確固たるものとした曲でもあります。冗談ぽいですが本当です。
当時、George Dukeの音楽を指して、万人が「アースのようなサウンド」(※)・・・と表現していました。輸入レコード店でもそのように紹介しているところが殆どでした。確かに、音の厚み、美しい和声と煌びやかなローズ、リズム&ホーンアレンジ、ファルセットによるヴォーカル・・・とくれば当時は何でもかんでもアースが引き合いでしたから。
(※アース=EW&F
George Dukeとアースの音楽性についてなのですが、前述の市場の認識とは異なり、私は正直なところ彼らは各々立脚点が違うと思っています。私が当時一番違うと感じていた点は、移籍前に顕著なアースのゴスペル性に対し、George Dukeはコンテンポラリーな和声感覚によって次代性を追求しているという「立ち位置の違い」「姿勢の差」にあったんです。

George Dukeを旧大阪ブルーノートで間近で見ましたが、とてもキツイ目をした方で、所謂「音楽家」のイメージを感じたんです。「違い・・」のニュアンスがわかってもらえるかと思います。

これは優劣の話ではないのですが、アース様とGeorge Dukeの違いは、ある観点から見ると、縄文人と弥生人の相違に似ているように感じています。文化と文明の違い・・というか、価値規準の相違と言うか・・・。
弥生はその後の社会に「文明的」な面で直接つながってはいますが、火焔型土器に代表されるような、縄文にあった生々しい「ヒトの営み」は一つの文化として消え行き、幾分技巧的に、時代が弥生へと下って行ったことは否めないでしょ。アース様とGeorge Dukeにはそんな差異を感じるのです。
「文化」と「文明」の違いはその波及性の差にあります。四大文明に比較し「文化」と称されるものは確かに小さなものです。元禄文化などがその良い例でしょうね。でも文化から文明が育っていった事実を、忘れてはならないと思います。George Dukeには高い音楽性とセンスの良さを感じると同時に、アース様には単にプリミティブという言葉では済ますことのできない何かの存在を感じますね。

余談ですが今の世の中、伝播しなければ、利潤を生まなければ価値が無いかのような深みに欠ける経済志向、費用便益分析が、踏み入るべきでない創造分野にまで土足で上がりこみ、数値管理や利益計画では生み出すことの出来ない肝心の「可能性」までを壊し続けているように思えます。

その後、両者は「聴いて」のとおり、はっきりと違う音楽に向かいました。何れにせよ、この両者は80年代の音楽シーン展開の原動力となった人たちであることには違いがないと思います。


このアルバムでのお薦めは、
前述の謝・恩っ!いや失礼"Shine On"
タイトルチューンの"Dream On"
その後、何枚か同系統アルバムをリリースするも、スタンリー・クラークとのコラボ等を経て徐々にフュージョン色が強くなります。
やっぱり、アース様とは、ちょっと違いましたね。


"George Duke - Shine On"






80年代の彷徨 George Duke 事件!



クラーク・デューク・プロジェクト

Duke

Reach for It

ブラジリアン・ラヴ・アフェア

Live on Tour In Eulope

Dream On

Guardian of the Light



 
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