October 10, 2005

George Duke 事件!

"Dream On" 1982  前回からの続き・・・


DreamOn”社員っ!”、”謝・恩っ!”

アルバムトップの"Shine On"
この曲、タモリの空耳アワーで使ってもらえると思うよ

今回は、この曲にまつわる話です・・・


80年代初頭、音楽多様性が今さらながら認識される中、ブラコン自身はその興隆期を迎えようとしていました。この頃はブラコンの美しい和声やリズムに魅了され、それまでのロックファンが怒涛のようにブラコン、フュージョンへと流れ込んできた時期でもありました。
それは変わり行く時代の要求だったと思います。しかし同時に、この頃は過渡期特有の中途半端さが目立つ時期でもあったのです。

流入文化に一部侵食されるというか・・・竜馬が袴に革靴履いてる・・・みたいな。実用ジャージにヴィトンのバッグ・・・も、かな。
喩えの差が埋まらんが。

とにかく「未知」との邂逅の中で、スタイリング、コンテンツ、スピリッツのミスマッチを感じることがとても多い時期でもありました。

今でもはっきりと記憶しているのですが、そんな頃に、四条川原町の輸入レコード店リバーサイドでこんな事があったのです。


ある昼下がり、私がアルバムを物色していると、3人連れの若い子たち(多分バンド)が入ってきたのです。彼らは店内をざぁっと見たもののレコードを検索する様子も無く、店の奥側で何やら小声で話し合いを始めたのです。

風体は明らかにロック系。
ストーンズ好きなんでしょ・・てなジーンズのはき方に重そうなベルト。
志は高くロッド・スチュアートを目指した「かまやつ」ヘアー。
昨日徹夜か?的な目の下の隈。
ちょっと見ただけで、なんともステロタイプな彼らは一瞬で網膜に焼きついてしまった。

そんな彼ら、ひそひそ話をしながら、ちらちらとレジの様子を窺っていたんです。
んっ様子が変。何かしようとしている。
しかもこっちが戸惑っている間に、彼らは密談を終わらせ、意を決したように向き直り、おもむろにレジの若い兄ちゃん(その日は気丈な姉ちゃんおらず)の方に近づいて行ったのです。


10坪程の店には兄ちゃんと私、それと彼ら3人。入ってきたときからこの人達、ちょっとこの店の感じではなかった。
挙動がおかしいことを察知していたのか、店の兄ちゃんはレジの中で一歩後ろへ。

兄ちゃん: 身構える。
彼ら:    近付く。
兄ちゃん: 一瞬こっちに目配せしてから、彼らを睨む。
私:     火事場の状況で拒む暇無く、登場人物”C”と化す。
彼ら:    じりじり近付く。ためらう様子はまったく無い。
私:     やばいと思いレジへ。
と、次の瞬間、我々を震撼する一言が。

「・・あのぉ・・ 社員っ!・・ってゆう曲・・探してるんですけど・・・・・」
「社員っ!!・・・てゆー曲なんです」
「っ・・・」
”C”の腰、砕ける。
互いの距離、既に1m。
それ、"Shine On"や!。Shine!ってシャウトで曲が始まるんや。
初めて聴いた時、誰でもびっくりするねん!。
おおっきい声・・・出すなよ・・。


ばつ悪かった。
いや、風体で人は判断できないけれども、スピンアウトな格好するには、それなりに自己表現する機転も必要やぞ。
TPOに合わせて、わたしは安全です〜って。

しかしながら彼ら、思った以上に一生懸命、目当ての曲を繰り返し歌い、意思を伝えようとしました。 「社員っ!」「社員っ!」。
が、哀しいかな、それ以上の表現は出ず、他の二人は叫ぶ一人に合わせ、こっくりこっくりするだけでした。
そのたびに鎖がちゃりちゃり。
・・・ロックバンド・・・だったね。
店の兄ちゃんが
「それ・・George Dukeの"Shine On"・・・ですよ・・」
と、溜息のように話を終わらせたのが忘れられません。

手のひらの汗は何であったか?
それはブラコンファン増殖を見守る汗であったのかも知れない。
がんばれ・・・にっぽん・・・



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