June 01, 2019

Joe Pass

"Misty"  "Satin Doll"


Joe Passは麻薬サナトリウムでの療養中に、独自に音理を突き詰め、技巧的にも他の追随を許さないレベルを極めた
後進ミュージシャンに多大な影響を与えたことは言うまでもない

晩年、JP-20を愛用し教則DVDもリリースしたが、私も思わず手にとった次第
D'Aquistoを爪弾く彼も素晴らしいが、私のイメージの中ではやはり175が印象深い


ギターで選ぶ和音は一般に言われる和声学からは少し異なる観点判断になる
隣合う弦の度数差により、選ぶ音に制約が生まれるのだが、それがかえってジャズギター独特のテンション、美しい響きを生むことになる
無論、演奏者の音選択センスが一番大きい要因であることは言うまでもないが・・・

ギターでは純正律に寄せたチューニングも、和音転回の多くなる転調や強烈な3和音のみのアレンジ、唐突な高フレット演奏の混在が無ければ多少は可能である
しかし現実的なギター仕様としては、後述のとおり難しい
 
ジャズギター独特のスモーキーでテンションの張った響きは、このような機構的制約の中で生き残り、育ったものだと思う
その音を選んで来た先人に敬意を覚えるばかりである
Joe Passは正にその第一人者である


驚いたことに、美しく響く7th(-7)の音程は平均律に対して事実30セントも低いらしい
ギターでは前述の転調、転回によるコードフォーム変形により、開放弦での純正律チューニングは(フレットが平均律に従った位置にあることもあり)機能しなくなる
加えて弦に実際に触れて演奏するギターでは、フレットに対する押弦強さで音程が更に上ずり、オクターブチューニングの影響や楽器特性に加えて、演奏者の技量、個性が和音にも出てくる
ここが深いところだと思う
Joe Passの演奏を聴くとわかる気がする

蛇足ながら、
レスリー・ウェストの弾くレスポールJrが、ジャンルは全く異なるけれどもとてもいい歪音であったのは、彼の巨体に支えられたことよってギターボディーの位置エネルギーが増大(笑)し、弦の響きにロスが無くなったからかもしれないね
とにかく楽器は弾く人によって全く異なるものになりうる
そこが良いところだ










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proue335uriuri at 10:51│Comments(0)from the Late 70's | Jazz

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